まとめ2

昨日は、なぜ毎日戦争について書き続けているのかというところまで書きました。今日はその続きで、本題の自省に入りたいと思います。

いまぼくが立っている、反戦・反アメリカ・反ブッシュという立場が100%何の疑いもなく正しいものかといわれれば、そんなことはないと思います。フセイン政権はイラク国民のためにならない悪い政権ですし、仮に何の犠牲もなく彼らを追放できるならばそれに越したことはないでしょう。ひょっとすると現実的にそのための手段は戦争しかないという可能性もあります。戦争賛成の人たちが、戦争反対の意見にまったく耳を貸そうとしないように、ぼくもまた、戦争賛成を唱える意見から目をそむけてしまい、自分に都合のいい意見ばかり聞いているのは確かです。それは、自分の信じるものを信じ続けたいという人間の根本的な性質からくるもので、誰も逃れようがありません。そういう意味で、ぼく自身、無根拠なことを信じ込んでいたりする可能性は大いにあります(昨日書いた同時多発テロ自作自演説はこのカテゴリーに入る可能性が高いです)。

そういう偏見をすべて取り除いて、曇りのない目で、今回の一連の出来事を見ること。それはとても難しいことです。

難しい理由のひとつはアメリカとブッシュが(フセイン同様)悪であるということがあまりにもわかりやすすぎるからです。何が何でも戦争を求めたり、劣化ウラン弾を使ったり、他人の意見に耳を貸さず常に自分の意見を押し通そうとしたり、論理のすり替えをしたり、偽物の証拠を提示したり…。普通こういうことは悪とみなされる人たちのやることです。歴代のアメリカ政権も同じようなことをしてきたのは間違いないところですが、ブッシュ政権は、あまりに露骨というかわかりやすすぎます。これで、正義の味方だったらあっと驚くどんでん返しで、江戸川乱歩賞をあげたくなります。

単純なぼくは、ついブッシュ大統領に悪の烙印を押してあげたくなります。こういうようになんでも善と悪に分けるのは、ブッシュ大統領のお得意で、実はとてもいけないことだとわかっているのですが、まんまと術中にはまっています。

実は反アメリカと叫ぶことはアメリカ万歳と叫ぶことと同じことなのかもしれません。できれば、ただアメリカは無視していたいです。ぼくの目の届かないところにいってほしいです。さよならアメリカ(by はっぴいえんど)。