地衣類

地衣類というのはコケのことだとばかり思っていたのだが、分類上は両者は全然ちがうものらしい。コケというのは緑色で茎と葉の区別があり下等ながら植物の一員といえるが、地衣類は色はさまざまで茎と葉の区別がなく、植物というよりキノコやカビなどの菌類に近いように見える。

実はこの地衣類、一つの生命体ではなく、菌類と藻類という二つの生物が共生しているものなのだ。菌類は藻類から栄養分をもらい、藻類は菌類によって乾燥などから守られる。両者は個別には生きていけず、あたかも一つの生命体であるかのように融合している。なんだか神秘的だ。

暑さ、寒さ、乾燥には強いようなのだが、どうも大気汚染には弱いようで、都会で見つけるのはあまり簡単ではないようだ。でも、なんとか観察したくなってきた。