攻殻機動隊

知り合いから借りて、TVシリーズのDVD(1-2巻)を見てみたが、かなりレベルが高い作品だ。IMEにまかせていると甲殻機動隊と変換されてしまうのがたまにきずだが。

ひとことでいえばサイバーパンク。人体を改造するのがあたりまえになった未来社会(2030年)。脳は人工の殻に包まれてネットと直接接続できるようになり(電脳)、まるでテレパシーのようなことが可能になっている。また体の各部分を義体と呼ばれるパーツに交換し、超人的なパワーを手に入れられる。こうした時代に多発する複雑・凶悪化する犯罪に立ち向かうために設立されたのが「攻殻機動隊」で、このアニメはそのメンバーの活躍を描いている。

オリジナルとか本物というものが価値をもたなくなりすべてがコピーになってしまった時代にはどんな詩情がありえるのか。その詩情もまたコピーの中にしかありえないということをこの作品は教えてくれるような気がする。さらにはこの作品もまた士郎正宗の原作、押井守よる映画版、さらにいえばサイバーパンクと呼ばれるSFの一分野の諸作品のコピー(というよりシミュラークル)にすぎなくて、そのことにスタッフがとても自覚的だ。よいシミュラークルがオリジナル(そんなものがあったとして)を凌駕する。そこに何かを創造するということの本質があるような気がする。