サトサレ

諭されてしまった。

いわば、ぼくはゴキブリを見かけたときに戸を閉め切って外に出ないような生き方をしていると。そうではなく、ゴキブリに立ち向かわなきゃだめだと。逃げているから余計にゴキブリの存在が大きくなり、息苦しさが増しているのだ。確かにゴキブリがそこにいないふりを続けてきたつもりだったが、そうではなかった。自分でもゴキブリの存在をありありと感じていながら、強引に目をそむけているだけだったのだ。見たくない。見たくないけど、見なきゃならない。

少しでも希望があるとすれば、それは目をそむけない強い心の中にある。