禁煙リベラリズム

喫煙と肺がん(健康)の関係をひたすら強調することは,肺がんの要因としてより影響のある{x_{k},¥ldots,x_{k-m}}を覆い隠す役割を果たしている.

さらに,それぞれの要因は独立しているわけではなく,たとえば喫煙は社会的に特定の階層に偏っていることがわかっている(「21世紀の・・・」11章,isbn:4890414932).たとえば,

{x_1=g(x_d),¥quad dg/dx_{d}>0} -----------(3)

という関係が成立しているのだ.それにもかかわらず喫煙を独立した変数としてとりあつかうことは,要因x_{d}を覆い隠すことになるだけではなく,喫煙者に対する人格的な攻撃につながる.

肺ガンのいくつかある要因のうちで、なぜ喫煙だけがことさらピックアップされるかといえば、他の要因をすべて同じくした状態で喫煙の有無という要因だけを変えるのが容易に可能で、かつ一定の効果が得られることが実証されていると考えられているからだと思います。実際遺伝的な因子の方が影響が大きいかもしれませんが、現在の医学では遺伝子を変えるのはまだ困難です。喫煙という因子が他の要因に(統計的に)従属していたとしても、喫煙の有無だけ変えることはすぐにでも可能なはずなのです。